『大丈夫大丈夫!なんか久しぶりだから転んじゃった』
『ったく…危なっかしくて見てらんねーよ』
『ごめん』
『お前先に滑れよ』
『えっ?』
『俺後ろについててやるから』
圭はそう言うと、転んだまま座り込んでいたあたしに、優しく手を差し出してくれて。
そしてあたしが圭の手をそっと握ると、ゆっくりと立ち上がらせてくれた。
『ありがと』
『おっ』
ねぇ圭。
図々しいかもしれないけど…
圭の優しさは、ちょっとあたしを勘違いさせてしまうくらい…すごく優しく感じられて。
だからまたこんなにも…
あたしの心の中は掻き乱されたみたいにドキドキ音を立ててる。



