『おいっ…揺れすぎじゃね?』
でも、あまりに風が強くて揺れるもんだから、圭もちょっと怖いようだった。
『男の子なんだからびびんないでよね』
『べっ別にびびってねーし。ほら、もう頂上着くぞ。降りる時コケんなよ』
圭がそう言った直後、やっと頂上に着き、あたし達は一緒に並んでリフトから降りた。
『超いい景色だね』
『おー。なんか気分爽快!って感じ』
頂上から二人で見下ろしたゲレンデの景色。
真っ白な雪の色に染まった周りの山。
『あ……雪だ』
そして見上げた空からは、雪がヒラヒラと舞うようにチラつき始めていく。
今この瞬間。
あたし達の瞳には、同じ景色が映っていて。
同じ風を感じて。
同じ時を刻んでいて。
『ほんとだぁー』
二人でいられることに、なんだかとても幸せな気持ちになれた。



