『これは、明日までのフリーパスだから。自由に滑りな』 そして、白馬に着いてから少し休んだあと、午後3時を過ぎた頃にお母さんがそう言ったんだ みんなで白馬のゲレンデに行くと、お母さんがあたしの首に、フリーパスのチケットが入った紐の付いたクリアーケースをかけてくれた。 『6時には夕飯だからそれまでは自由に滑ってていいよ』 そしてそう言うと――― お母さんはお父さんと二人でリフトに乗り、コースの頂上へと登っていった。