『つーか慎ソッコー寝てるんだけど』
窓の外をぼーっと眺めていると、隣から圭があたしの肩を軽く揺さぶって、慎の方を指さした。
あたし、圭、慎。
三人並んで座っていたあたし達。
一番右側に座っていた慎は、朝早くに起こされたせいか、車が走り出してすぐに眠ってしまったようだった。
『慎うるさいしちょうどいいじゃん』
『まぁな』
あたし達はそう言って笑い合うと、流行りの音楽が流れる車内で静かに座ったまま窓の外を見つめていた。
圭との距離が近すぎて、なんか右側を向けない自分がいる。
肩が触れてるせいでずっとドキドキしてるし…
この音が圭に伝わったらどうしようって…そんなことばかりをずっと考えていた。



