『用意できたか!?』


『えっ!?ってゆーか何で勝手に入ってきてんのよ!』




翌朝、早くから起きて持ち物の確認をしていたあたしの部屋に、圭がそう言って突然現れたもんだから、あたしはかなり慌てた。




だって…圭があたしの部屋に来るのって…久しぶりな気がするし。






『なんか部屋の雰囲気変わったなぁ』


『そ、そうかな?』


『うん。つーかコレでOKなの?忘れもんない?』





あたしの鞄を指さしながら、圭は優しくそう聞いた。





『うん、コレで全部だよ』


『よし、んじゃ行くか。下で慎も待ってるし』


『うん』




あたしがそう言って鞄に手を伸ばした時、圭は一泊分の荷物が詰まったあたしの鞄を先に手にしていた。




『重っ!!一泊なのに一体何詰めこんでんだよ〜』




そして…そう言って笑うと、鞄を持って先に部屋から出ていった。






ヤバイ。


ドキドキしすぎて心臓の音が体中に響いてる。




当たり前のように重い鞄を持ってくれたそんな圭の姿に、あたしの心は朝からドキドキでパンクしそうだった。