『おはよー!』
『圭介も神谷も早いなぁー!』
『ほんとだー、圭介いつもギリギリなのに』
クラスメートの男子が3人、そう言いながら教室に入ってきた。
『ばーか、俺だって本気出せば早く来れんだよっ』
『じゃあ明日も本気出せる?』
『二日連続は無理だなっ』
『ハハハッ』
圭はそう言うと、いつもと同じように男子達に囲まれていた。
圭が人に好かれる理由がわかる。
優しくて。
明るくて。
面白くて。
欠点なんて全然ない。
さっきあたしが岩本さん達には何も言わないでほしいって言った時も、黙ってその言葉を飲み込んでくれた。
あたしは圭の手から戻ってきたキーホルダーを見つめながら、どんどん大きくなっていく圭への気持ちを再確認していた。
戻ってきた宝物。
このキーホルダーは、あのメモと同じ、新しい二つの宝物になったよ。
圭、ありがとね。