『あぁ。なんかちょっとだけ心配だったからさ…』 『えっ?』 『ちょーーっとだけな』 圭はそう言うと――― いつか見たことがあるような光景を、あたしにまた見せてくれた。 指先で作った1ミリぐらいのほんの小さな隙間。 『ほんとにちょっとだけじゃん』 あたしの顔から…思わず笑顔がこぼれた。 ねぇ圭? 今ならあたし… 言えるような気がする。