春の新学期に、クラス替えのナンバーが印された紙を手にした。
5―4
初めて圭と同じクラスになれて、ドキドキして嬉しかったことを、今でもハッキリと覚えてる。
楽しいことがたくさんあった。
でもそれ以上に…
辛かったこともたくさんあったっけ。
同じクラスになれたのに、近付いたはずの距離は気付けばどんどん離れてて。
ニ学期になってからはほとんど話すこともないまま学校での大切な時間は、無駄に過ぎていってた。
せっかく…
同じクラスになれたのにな…。
『早いじゃん』
その時、教室の後方から…
声がした。
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