『静大丈夫〜?』
夕方、お母さんがそう言いながらあたしの部屋に入ってきた。
『うん…』
一日中ベッドにいたあたしは、目をつむったままお母さんにそう返事をした。
『あ、さっき家の前で圭介と会ってね、連絡帳持ってきてくれてたから。ここ置いておくからね』
お母さんはそう言うと、あたしの勉強机の上に連絡帳をそっと置いていた。
そっか……
圭が…
持ってきてくれたんだ。
あたしはゆっくり起き上がると、机に置いてある連絡帳を手に取った。
圭が…
持って帰ってきてくれた連絡帳…
ほんの少し前まで…
圭がこれを持ってたんだ。
圭………
あたしはたまらず連絡帳をギュッと胸に抱きしめていた。



