でも、そんな甘い考えはすぐに崩されていった。





『ねぇ大倉〜』





給食の時間が終わった昼下がりの休み時間。



ボールを手にして教室を出ようとしていた圭達に、岩本さんがそんな風に呼び止めた声聞こえたんだ。





『何?』


『あのさぁ、今日の朝神谷さんが大倉と同じペンギンのキーホルダー、ごみ箱に捨ててたよ〜』


『は?』


『大倉とお揃いが嫌だったんだって』





教室内に響いたそんな声。





圭がこっちを見ているような視線が…体中に突き刺さってくる。






そして―――



圭は手にしていたボールを相川くんに渡すと、ゆっくりとこっちに向かって歩いてきた。