『だから名前で呼び合ったりお揃いのキーホルダー付けたり、とりあえずそういうのやめなよ』
『えっ?』
『だからぁー、呼び方、圭じゃなくて大倉って言いなよ』
大倉?
今さらあたしが…大倉?
『あとさぁ、そのランドセルについてるキーホルダー、今すぐ捨ててよ』
『は……!?』
『できないの?』
『出来るわけないじゃん!これは人からお土産で貰った大事なものなの』
『ふーん、だったらあんたも立花さんも、またこれから楽しみだね』
楽しみ…?
『どういう意味』
『そういう意味』
あたしが圭と幼なじみをやめなかったら…
また遥にも嫌がらせされるかもしれないってこと?
『遥にだけは嫌がらせするのやめてよ!』
『だったらあんたがキーホルダー今すぐ捨てて今日から大倉って呼べばいいだけじゃん』
悪魔みたいに耳元でそう囁いてきた岩本さん。
呼び方を変えて―――
キーホルダーを今すぐに捨てたら…
遥のことは…
守ることができるんだ。