ピーンポーン…
『誰!?こんな朝早くに』
朝の8時ちょうど。
家の中がバタバタと騒がしい時間帯に、お母さんがそう声を漏らす。
『はい―――』
玄関へと繋がるインターホンの受話器を、慌ててお母さんが手にした。
『あぁ!はいはい!すぐ出るね!』
そして…
受話器を戻すとすぐに玄関の方へと歩いて行って。
朝食を食べ終えたあたしは、いつものように学校に向かうための身支度を整えていく。
『静菜!圭介今日熱出してるみたいで奈美ちゃんが連絡帳学校に届けてほしいって』
だけどランドセルを背負ったあたしに、玄関から戻ってきたお母さんはそう言ってあたしに圭介の連絡帳を手渡してきた。
大倉 圭介。
そう名前が書かれてある連絡帳を、あたしはジッと見つめた。
熱出してるんだ…圭。