GODDESS

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誰かがトントン、と赤子をあやすように肩でリズムをとってくれる。

それがあまりにも気持ち良くて、覚醒しかけた頭にもう一度、眠気を呼びかける。

けれど頬に伝わる熱に対して、違和感を感じたあたしは、慌てて身体を起こした。


「あ…」

「起きた?泣き疲れて寝ちゃったんだよ。」


そう言って微笑んでくれた彼に、思わず顔が真っ赤になった。


泣き疲れて寝るなんて子供じゃないんだらっ!
…それに膝枕なんかしてもらったうえに、寝顔をっ!


恥ずかしさの余り、これ以上ないってくらい顔が熱くなる。


「ごめんなさいっ!」

「良いよ。もう、落ち着いた?」


目、腫れちゃったねとおかしそうに笑う彼。


泣き明かしたあげく、もう、サイアク…


「大丈夫です。」


だけどさっきより胸のモヤモヤが軽くなったのを感じていた。


あの日から泣くまいと頑張ってきたけれど、泣くことも大事なんだって思った。


「名前…言ってなかったね、あたしは「“ちえり”でしょ?」

「えっ!?」


どうして知ってるの?
初対面だよね?


「俺のこと、覚えてない?」

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