GODDESS

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その呼ばれ方が妙にしっくりきて、自分の中で復唱する。


ちーちゃんなんて、冗談でしか呼ばれたことない。

彼はたぶん…16・7歳くらいだと思う。

じゃあ、小学生の頃くらいだよね?
出会ったのって…

そう言えば、あたし確かその頃…


「…もしかして、あーくん?」


小学生の頃、あたしが引っ越す前に一人だけあたしをそう呼ぶ子がいた。


「あーくんだよね?隣の葵くんだよね?」


確かめるあたしに、あーくんは満面の笑顔で頷いてくれた。

その笑顔はあの頃のままで…


「はぁ…マジ、思い出してもらえなかったらどうしようって思った。」


気がぬけたのか、深くソファにもたれた彼。

あたしは病んでたことも忘れて、懐かしさに笑みをこぼした。


「ちーちゃん、」

「ん?」

「聞いても良い?」


そう言った彼の瞳は真剣で、

あたしは静かに頷いた。

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