荷物が落ちる、音がした。 その音に 彼一行は気付いたらしく 音の下方へ体を向けた。 「えみり先輩っ。」 彼が思わず近づく。 初めて¨那智¨として みられた彼は、 辛そうな愛しい顔を 見つめ直した。 「えみり先輩。」 心なしか彼女が ビクッと肩をふるわせた。