その声は明らかに
彼女のものじゃないことは
わかっていたが、
彼は笑顔を振りまいた。
「那都じゃん。
速攻で出てったから
帰ったのかと
思ったんだけど-。」
純平うぜぇ。
今の彼は爆発寸前の
爆弾に似ていた。
「何中-??」
明らかに彼への好意を
寄せてる声で
不思議そうに
綾(純平じゃない友人1)が
聞いてきた。
普段なら何でもない
質問だったが
今は少し....邪魔。
そう思わずにいられない
彼なのだった。
こうしてる間にも
もしかしたら彼女は
彼を捜してるかも
しれないからだ。
時刻は四時を
回ろうとしていた。
携帯に映る時計の
針が淡々と時間を進めていた。
早く終わらそう....。
彼は笑顔を顔に
張り付けた。


