彼女のメールの様子が
どことなくおかしい。
良い意味で。
最初男だと言ったとき、
彼女の反応は
ふぅんとか
そうなんだ-とかで
それ以上掘り下げようとは
しなかった。
だけど今、
ピアスを落としたと
告げただけで
彼女は食いついて
きたのだった。
彼はにんまりした、
ステップアップのチャンス-。
そして彼は慣れた手つきで
数字を打ち込み、
その下に¨よろしければ。¨
と付け足して
送信したのだった。
番号知らないこと
忘れてんだろうなぁ-
彼はそうを思うと
悲しくなったが
それ以上に彼女の変化が
胸を弾ませた。
どれくらいかといえば、
今なら世界中の人と
友達になれる。
そんなことを
ほざいちゃうくらいには。


