高校入学式の朝

進次郎は小学生の時からバッテリーを組む卓也と期待と不安を抱きながら学校へと向かった。


「進次郎はすぐにエースやろな」


「何ゆってんねん!
卓也も頑張って先輩押し退けてレギュラーとらなあかんで」


「そんなこと言われても俺は進次郎の球捕るだけの壁みたいなもんやし…」


卓也は進次郎ほど目立つことなく選手としては平凡。

ただ、恋女房にはピッタリの性格で、今までピンチの時に何度も進次郎を救ってきた。

そんな卓也を進次郎も信頼し、一番に想ってきた仲間である。


高校に着いた2人はクラス発表を見るなり、
「一緒やん」

と声を合わせて言った。

2人は教室へと向かい、入学式などの行事に出ながらも頭の中は野球のことばかり。


進次郎と卓也は学校が終わるなり野球部のグランドへと走って行った。