「…なにが“ごめん”なの?」
ちょっと擦れた甘い声が。
私の耳を擽った。
「“ごめんなさい”は“悪いことをしてしまったら言う、謝罪の言葉”デショ?」
……確かにそうなんだけど。
“郁が好き”な私が。
郁の合意でキスをした。
それだけのコトなんだけど。
…そこにはやっぱり。
“教師と生徒”っていう境界線がひかれてて。
お互いにそこを越えるのはタブーだってわかってる。
周りに知られた時の好奇と非難の目。
事実がそこに存在しなくても。
ウワサがたつだけでヒドいモノだ。
真実を伝えようとしても“言い訳”にしかならず。
例え真実が伝わったとしても。
“火のないところに煙は立たず”的に処理をされて。
結局は“好奇と非難の目”に負けてしまうのだ。
……郁をそんな目に合わせたくない……。

