今まで私自身が郁との間に張った境界線。
“教師と生徒”。
忘れてたわけじゃない。
ただ。
郁を“生徒”としてなんて見てなかった。
郁は。
私の“好きな人”になってしまった。
触れたい、でも触れられない。
ただ想っていることすら罪になりそうで怖かった。
だからこそ。
一度触れてしまったら止まらない。
止められなかった。
そこには“理性”なんて言葉は存在していなかった。
でも。
私が教師で郁が生徒は現実で。
感情任せとはいえ。
生徒の腕に抱かれてるのも現実だった。
……顔から血の気が引いていく。
『…ッ…ごめ…』
もう一度郁の腕から離れようと体を捩る。
でも郁の腕が絡みついて離れない。
その時。
郁が耳元に唇を寄せた。

