「“あの日”のコトは酔い潰れてて覚えてない、で逃げられたけど…」
郁は私の頬に触れながら言葉を続けた。
「俺は生徒、貴女は教師。
今度はそれを承知で俺の腕の中にいるんデショ?」
『…ッ!!』
その言葉を聞いて。
体が反射的に離れようとする。
でも郁は私の体にまわした腕を緩めてくれない。
「……ちゃんと答えるまで離さないから」
頬に触れていた指先が唇に触れる。
「…あんな…俺を煽るような声出しといて。
正気じゃなかったなんて言わせない」
口元は微笑んでいるけど。
声は全く笑ってない。
何かを狙うような鋭い瞳が私を射ぬく。
…私は返す言葉を探した。

