半熟cherry


“フッ”



唇に何の感触もなくなって。

酸素が入り込む。



乱れた呼吸をそのままに目を開けると。

目の前にはまだ郁の顔があった。



恥ずかしくて。

恥ずかしくて。

恥ずかしくて。



目が合った瞬間。

顔が“ボンッ”って音をたてて。

沸騰しそうなくらい熱くなった。



一瞬、郁は驚いたように目を見開いたケド。

“…プッ”と小さく笑うと。



「…顔、赤いよ?」

『う、うるさいッ!!』



唇の端っこを持ち上げていじわるそうに微笑んだ。



一体誰のせいだと思ってるんだッ!!



…そう言ってやりたいケド。

悔しいコトに、力が抜けて。

抱きしめられてる郁の腕の中から言うには。

あまりにも情けなさすぎて。



…言えマセン…。