半熟cherry


久しぶりの真っ黒い笑顔を見せた郁は。

その動作を見せつけるかのように。

ゆっくりサクランボの茎を自身の舌の上に乗せ。



「…ん…」



眉間にシワを寄せて。

口をモゴモゴと動かし始めた。



私は自分が言った言葉と。

郁を直視するのが恥ずかしくて。

郁が茎を結んでいるその間。

郁のTシャツの裾を掴んで俯いていた。





「…ほら、結べた」





たいした時間もかからなかった。



その言葉を聞いて郁を見上げると。

郁は舌の上に乗せた結び目のできたサクランボの茎を。

自身の指先で摘んでみせた。



そして。

結び目のできた茎をプリンのなくなった容器に入れた。





「…誘ったのは茜だからな…」





耳元でそう囁くと。

片手で腰を抱き寄せ。

片手は私の後頭部の髪の間に差し込んだ。