触れているだけの優しい唇は。
角度を変え、唇をなぞるように。
小さな音をたてながら私の唇に降り注いだ。
『…ん…ッ』
触れているだけなのが焦れったいくらい。
でも。
郁の舌先が私の唇に触れる度に。
心臓が掴まれたように跳ね上がる。
「…エロい声出さないでよ。
止まらなくなるから…」
郁の甘い囁きは。
“これから先”を予感させ。
その言葉だけで力が抜けそうになる。
でも腰にまわった郁の腕は力強く。
“ギュッ”と私を抱き寄せていた。
…ドォォォォォン……
…ドォォォォォン……
どのくらい、触れていたんだろう。
…唇が離れたのは。
郁の頭の向こうから打ち上がる。
花火の音に気が付いたトキだった。

