“自惚れたくもなるだろ”
…自惚れ…?
…ねぇ…それって…。
……もしかして……。
私は。
心臓の音が大きくなるのを感じた。
『…郁…あのね…』
私は震えている右手をギュッと握った。
これは持っちゃいけない感情だったんだ。
「…散々俺のコト“生徒”だって線引いといて。
改めてまた言うの?」
体に絡まっていた腕もいつの間にか外れていて。
郁はベランダの手摺りに寄り掛かっていた。
『お願い、聞いて?』
でも、持ってしまった。
気付いてからは“封印”しようとした。
『あのね、郁…』
胸が高鳴る。
ねぇ、郁…。
貴方のその態度に。
…私も自惚れてしまって。
いいですか…?

