「…わからない、ね…」 郁が私を見る目は。 いつになく真剣で。 私は郁の視線に捕われて動けなくなった。 頬に触れていた指を首筋に移動させていく。 ビクッ。 首筋に電気が走る。 「だったら」 目は笑ってない。 唇の右端だけ持ち上げたあの“真っ黒い笑顔”を浮かべながら。 少しずつ郁との距離が詰まっていく。 ……なに、考えてるの……? 「カラダに聞いてみる?」 からかうような声で郁が囁いた。 その言葉が私の耳に届いたのとほぼ同時。 郁は私の顎を指で持ち上げた。