半熟cherry


「あれ?」



料理も食べ。

ケーキも食べ。

お腹も程よく満足してきた。



そんなトキ。

郁が私の空けたグラスを見て言った。



「今日は飲まないの?」



昼間暑かったし、ホントは飲みたいんだケド…。



『生徒が一緒じゃ飲めませ〜ん』



そうだ。

あくまでも郁は“生徒”だし。

私は“教師”なんだ。



そう思わないと。

そうやって線を引かないと。

……どうしていいかわからなくなるから……。



「ココ、学校じゃねぇよ」



グラスに少し残ってたウーロン茶を飲み干す郁。

そして言葉を続けた。



「…それに俺は“センセー”と遊んでるんじゃなくて。
“友藤 茜”っていう女と遊んでるんだケド?」



『…どっちも“私”だよ』



“センセー”も私だし。

“友藤 茜”も私。



そんなカンタンに割り切れないよ…。