半熟cherry


観覧車にはあまり並んでる人はいなくて。

すぐに乗ることができた。



『よく見えるね〜』



向かい合わせに座った私と郁。



ゆっくりと地面から遠退いていく不思議な感覚は。

何回乗ってもワクワクする。



「これで夜ならキレーだろうな」

遠くを見ながら郁が微笑む。

『残念だね』

「また来ればいいじゃん」



………え?



郁のサラッと言った言葉が。

心臓をキュッと掴んだ。



……“また”って、どぉゆう意味……。



「……そっち、行っていい?」



そう疑問系で聞いたはずなのに。

郁は、私の返事を待たずに。

隣に座った。