半熟cherry


『……もぉ、ヤダ……』



足元すらハッキリ見えない。

暗くて異質な空間からやっと解放された…。



「みんな作りモンだろ〜?
作りモンにあんだけ騒いでくれりゃ本望だよな」

『…う、うるさいッ!!』



お化け屋敷を出た郁は。

平然としてて、ちょっとムカつく。



『…怖いモンは怖いんだもん…』



なんで世の中にこんなモノが存在するのか。

意味がわからない。

そう思うのは、私だけでしょうか…。





太陽が傾いてきた。

でもさすが夏。

まだ明るいし夕方って感じはしない。



「…まだ明るいケド、観覧車行こうか」



フッと笑った郁が言う。



“締めは観覧車!!”

最初に言ってたよね。

ってコトは。

もう終わり…。



なんだか寂しくなった。

なんだかんだ言ってても、楽しかったんだ。

気付いたら。

楽しんでる自分がいたんだ。