紅の赤…紅蓮の炎…
大量の出血が目を霞ませ、体の自由を奪う…
しかし、刀を持った出血の酷い男はそれでも尚…立ち続ける…

数時間前まで鮮やかな色や声を醸し出していた街も今はもう、家やほとんどの建物は崩れ、崩壊し、炎に包まれ、漆黒の雲が空を覆って……まるで…そう…

『まるで…地獄…絵図だな…』


刀を地面に刺し、体重をその刀に預けなんとか二本の足で立つ体勢を保ち、続ける

『なぁ…政次…なんでこんなになっちまったんだ……?俺達が…メリルと出会ったせいか…?』

政次と呼ばれた細身の男は、問い掛けた男の方を向いた

『出会ったのが理由じゃないんじゃないですかね?まぁ、僕達がよくある…運が悪かったってやつですよ、忍』

これほど酷い状況にも関わらず笑顔で話す男も、左肩からかなりの出血をし、左肘から下は無くなっていた…
二人の男の前方で急に鼓膜を破るかの様な爆音が鳴響き、爆発で飛び散った瓦礫と爆発の衝撃と爆風で周りの廃墟の建物か崩れ噴煙が舞う、その中から一つの人影が…

『さぁ、忍、行きますか』

『あぁ、もう腕落されるなよ?』

政次はわかってますよ、と笑い、二人は拳と拳を打ち付け合い、構えた…