な、んで………? 「なんで………?」 気がついたら走り出していた。 『詩織っ!』 自分の名前を呼ばれるのが、こんなに辛いと感じるときがくると思わなかった。 頬に流れているものが、涙だと気づいたのは彼に捕まったあとだった。