30分も過ぎた頃、しっとりと髪を濡らした阿修羅が元の部屋へと戻ってきた。弥勒は赤ん坊を撫でながら待っていたが、湯が沸いた事を知らされるとすぐに立ち上がり湯殿へと直行してしまった。






一時間後、阿修羅が手伝うと言ったのを断って1人で赤ん坊の沐浴に挑戦した弥勒は

…湯あたりしていた。



【だから、言ったでしょう。俺がやるって…。】
『…目が回る。』


そう、あれから赤ん坊を沐浴させる為に頑張った弥勒は、ものの見事にのぼせてしまい介抱される結果となっていた。

阿修羅はやれやれといった様子で、真っ赤になった弥勒の体をパタパタと扇いでいる。


「あ、あぅ。」
【待て。主が先だ、赤子。】
『良い、たぶん腹が減ったんだろう。何か作って…っ!?』


立ち上がろうとして、グラリとよろめく体。阿修羅は慌てて抱きとめると、再び畳の上に寝かせてやった。


【俺がやります。貴方は、黙って横になっていて下さい。】