『今日は泊まる、明日荷を運ぶのを手伝え。』
【もちろん、貴方に運ばせたら大事な家具や食器が大破しそうですから。】
『私をバカにしてるのか?』
【いいえ?事実です。】



アッサリと返されて面白くない弥勒は、さっさと布団に横になり赤ん坊をうでに抱き締めると眠ってしまった。









次の日、弥勒が目を覚ますともうすでに阿修羅が荷物をまとめていて、弥勒は着替えを段ボールに詰めるだけで良かった。

寝ぼけていたからなのか、ぼんやりしている弥勒に少し白湯を飲ませて目を覚まさせるとゆっくりと引っ越しが始まった。



『これは、その部屋だな。』
【この子はどこに寝かせるのです?】
『しばらくは私の寝室だ。泣かれては敵わないからな…。』



弥勒はそう言うと、しっかりと荷物を運び阿修羅から育児に必要な道具やオシメを受け取って、説明を聞いて頭に叩き込んでいく。

その早さは、やはり神としての能力なのか一度聞いただけの説明を、すっかり覚えてしまった。