『柔らかいな、伸びるし。』
【可愛らしい顔ですね。】
『しもぶくれ…。』
「きゃーう!」
遊んでもらっていると勘違いしたらしい赤ん坊は、キャッキャと声を立てて笑っている。
機嫌が良いようで、弥勒の指を握ったり肩口の布を引っ張って口に含んだりと、活発に動いている。
ただ、弥勒にとって不幸だったのは赤ん坊の口に含まれたその布が自分の着物の裾だったと言う事…。
『気に入りの着物だったんだがな、もうベタベタだ。』
【これを着ては?割烹着というもので、服が汚れるのを防ぐ物です。】
『助かる。』
気を利かせた阿修羅が持ってきた割烹着を受けとると、隣の部屋へと着替えに行ってしまう弥勒。
タン、と音を立てて襖が閉まった途端…。
「ふぎゃああぁん!」
【!?】
『……はぁ、毎日これが続くのか。』
子育てや俗世には疎い弥勒だったが、赤ん坊が泣いた原因は明らかに自分にあること位は分かっていた。
なるだけ、すばやく汚れた着物を脱いで着替えてしまうと割烹着を着て、長い髪を後ろでゆったりと結い上げた。
【可愛らしい顔ですね。】
『しもぶくれ…。』
「きゃーう!」
遊んでもらっていると勘違いしたらしい赤ん坊は、キャッキャと声を立てて笑っている。
機嫌が良いようで、弥勒の指を握ったり肩口の布を引っ張って口に含んだりと、活発に動いている。
ただ、弥勒にとって不幸だったのは赤ん坊の口に含まれたその布が自分の着物の裾だったと言う事…。
『気に入りの着物だったんだがな、もうベタベタだ。』
【これを着ては?割烹着というもので、服が汚れるのを防ぐ物です。】
『助かる。』
気を利かせた阿修羅が持ってきた割烹着を受けとると、隣の部屋へと着替えに行ってしまう弥勒。
タン、と音を立てて襖が閉まった途端…。
「ふぎゃああぁん!」
【!?】
『……はぁ、毎日これが続くのか。』
子育てや俗世には疎い弥勒だったが、赤ん坊が泣いた原因は明らかに自分にあること位は分かっていた。
なるだけ、すばやく汚れた着物を脱いで着替えてしまうと割烹着を着て、長い髪を後ろでゆったりと結い上げた。
