「ごめんね…心配かけちゃって…。昨日は……」
理由を説明しようとしたところで、玄関のドアがガチャッと開いて、お父さんが中に入って来た。
おそらく、もうすぐ出勤だから車のエンジンをかけて、暖房をいれてきたんだろう…。
「おっ!やっと部屋から出てきたんだな。せっかく彼氏が迎えに来てくれたんだから、あんまり待たせるなよ!」
お父さんは、ニコニコしながら私と理緒を見る。
「先ほどは…ありがとうございました。出勤前の忙しい時間帯なのに…。」
「いいんだよ。またゆっくり話そうな。」
「はい…。」
お辞儀をする理緒の肩をポンポンと軽く叩いたお父さんは、上機嫌でリビングへと入って行った。