「えっ…離して!ここだとみんなに見られちゃうよ…!」
いくら一年生の教室から少し離れた場所とはいえ、放課後になってまもない廊下は、生徒の行き来が頻繁だ。
こんな風に後ろから理緒に抱きしめられてる姿をたくさんの生徒に見られるのは恥ずかしいもん…。
「なんで、一人で保健室に行こうとしてたんだ?」
理緒は、私の主張に構わず抱きしめたままだ。
「前も…ずっと一人で保健室に行ってたから…今回も先に行ってればいいかな…って思ったの…。理緒の周りには女の子たちもいたし、その…声かける勇気が出なくて…。」
言っている間に顔がどんどん下に向いていく。


