とりあえず、カバンを自分の席に置くために由優の手を離した時だった。 「由優ちゃん!おはよ〜!」 呑気な声の主は瞬太だ。 席に座って、珍しく勉強らしきことをしている瞬太は俺たちが来たことに気付いたようで、顔を上げて手を振っていた。 そんなことしたって、由優がお前のために手なんか振ったりするかよ…。 苦笑いを浮かべながら由優を見ると、小さな手を胸元で揺らそうとしていた。