階段を転びそうになる勢いで降りて玄関に行くと…



「由優!」


私を呼んでくれた理緒の声にドキンと心が高鳴った。


グレーのコートを着て、スッと姿勢よく立っている理緒の姿は、絵になるんじゃないか…って思ってしまう。


カッコいいな…。


ドキドキしながら見惚れていると、理緒は私の手を掴んで近くへと引き寄せた。



「おはよ。朝早くから由優に会えるのって、幸せ感じるな…。」


理緒の温かい笑顔に、早くも放心状態になりそうな感じだ。