「じゃあ、俺は行くから。カナとゆっくり喋ってる暇ないんで。」


イラつく気持ちを抑えて、玄関のドアを開けた。


「ねぇ理緒兄、由優先輩って、どんな感じの人?」



…………。


俺は、開けたドアを直ぐにバタンと閉めてカナに鋭い視線を向けた。


「なんで、お前が由優の名前を知ってるんだよ…。」

この前、俺の誕生日の時に由優を家に連れてきたけど…


あの日はカナがまだ学校から帰って来てなかったから、由優には会ってない。


会わせたくなかったから、ちょうど良かったと思って、内心ホッとしてたっていうのに…。