「やっと一緒に登校してきたね…。私も二人で教室に入って来た姿を見た時は、嬉しかったよ。」


「で、でも恥ずかしさとかあったんだ…。理緒ファンの女の子の反応も気になってたし…。それに、男の子たちに……」


さっきのことを思い出して、言葉が詰まる私の頭にポンと優しく手をのせたのは……





「理緒……?」


顔を上げると私の席の前には理緒が立っていた。


「本当にごめんな…。色々、心に負担かけさせて…。由優が笑顔で居られるように、俺が守るからな…。」

私の視線と同じ高さにしゃがみこんだ理緒の笑顔は、どこまでも穏やかで優しさに満ちていた。