「由優っ…!あなたにお客さんよ!もう支度は出来たの?」 少し息をきらしながら、お母さんは扉を大きく開けた。 「わ、私に?えっ…誰だろう……。」 てっきり、お母さんやお父さんへの来客だと思っていただけに、驚いてしまった。 「…カッコいい男の子よ!背が高くて黒髪の男の子!確か…“空守”って言ってたわよ?」 うっ…うそ… 理緒が来てるの!? ニコニコしているお母さんの前で、みるみる顔が赤くなっていくのが分かった。