“コンコン” 部屋のドアを叩く音がして、俺が開けると由優のお母さんが冷やしたタオルを持って来ていた。 「由優、寝ちゃった?」 「はい…。今さっき眠ったばかりです…。」 由優のお母さんは、音をたてないよう静かにベッドに近付くと、タオルをおでこにゆっくりとのせた。 「ぐっすり眠れれば熱も下がるかもしれないわね…。」 そう言いながら、優しい瞳で由優を見つめていた。