「ど…どうしたの!?」


手渡されたコートを見ながら首を傾げた。


「立ってるのも辛そうな顔してる由優を見たら、何とかしたい…って思うだろ?」


理緒は背を屈めると、瞬く間に私を抱きかかえてしまった。


「由優、軽すぎ…。ちゃんと食事摂ってるのか?」


「うん、一応…。そっ…そんなことより、降ろして?私、歩けるし大丈夫だから…。」


足をバタバタさせてみたものの、理緒は降ろしてくれない。


「大丈夫じゃねぇよ…。このまま家まで連れて行く…。俺のコート、体に掛けてろよ…。少しは寒くないと思うから…。」



えっ…。
私のために、わざわざコートを脱いでくれたの…?