「理緒…、今日は…こんなことになっちゃって、ごめんなさい…。ここからは私一人で帰れるから…。それじゃあ…またね…。」


理緒の顔を見れず、視線を下へと落としながらクルリと背を向けた。


「…調子悪そうな由優を放って帰れるわけねぇだろ?俺も一緒に由優の家まで行く…。」


「で、でも…迷惑かけちゃうから……」


そこまで言葉を発したところで、理緒は私を向かい合わせになるように体の向きを変えた。



「迷惑って言葉はナシだろ?俺は由優の彼氏なんだから、もっと甘えてもらっていいんだからな…?」


優しさ溢れる笑顔を注ぎながら、理緒は自分の着ていたコートを脱いで、私に手渡した。