「理緒……あの…」


「今日は、もう帰ろっか。ゆっくり休んで治した方がいい…。」


理緒は心配そうに私の頭を撫でると、家の方へと歩き始めた。


「由優、もしかして…待ち合わせの時から、具合悪かったのか?」


理緒の少し低い声にビクッと肩が上がる。


「あの時は、す…少し寒気がしたんだけど、具合は悪くなかったの…。」


「そっか…。」


理緒は、そう返事をするとしばらく何も言わずに歩いていた。