「理緒が私のこと…“何より大切な彼女”って言ってたでしょ?人通りも多かったし、色んな人が聞いてたから、ちょっと恥ずかしくなっちゃったんだ…。」


「そ、そうなのか!?ごめん…。」


俺は、アイツらにキッパリ言っておきたくて、自然と出た言葉だったけど…


他の人にも聞かれてるなんて、気付いてなかった。


本当に、由優のことで頭がいっぱいになりすぎると、周りが見えなくなるな…俺。



「でもね…、恥ずかしかったけど嬉しかったよ。ありがとう…。わ、私も…理緒は何よりも大切に想い続けていたい人…だからね…。」


由優の、ほんのり赤く染まっていた頬は、真っ赤になっていく。


照れているようで、巻いていた桜色のマフラーで顔を覆い隠してしまった。