「由優の家、雰囲気が温かくていいな…。」
「そ…そう?自分だと、あまり分からないけど…」
「由優の傍にいると居心地がいい理由も納得だな…。」
理緒は微笑むと、繋いでいた手をグレーのコートのポケットへと引き寄せる。
そして、その中に二人の手を入れた。
「理緒!?いきなりどうしたの…?」
「寒いから、由優の手が冷えないようにと思ってさ…。ポケットに入れてた方が温かいだろ?」
理緒のコートのポケットの中で包みこむように握られた私の手は、指先までドキドキが駆け巡っていた。
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