聞こえないフリして無視しよう…と思ったものの、女はガバッと腕を組んできた。


『理緒君と会えるなんて、凄くラッキーだなぁ…!めちゃくちゃ久しぶりだね〜!』


「な、何やってんだよ!離せよ。っていうか、誰?」

まとわりつく腕を振りほどこうとしながら、ムッとした口調で言った。


『私のこと、本当に知らない?覚えてないの?』


女は不思議そうに首を傾げた。


「知らねぇよ。」


俺は由優以外の女は名前すら、まともに覚えようとしないほど興味も何もないからな…。


悪いがバッサリとそう言わせてもらう。