「行ってきます。」 ドアを半分開けながら、ちょっと大きめの声で挨拶をすると… 「行ってらっしゃい!」 お母さんは二階から急いで降りてきて、玄関先で笑顔で見送ってくれた。 お父さんもリビングから顔を出してニコニコしながら、私たちに手を振る。 いつも以上に笑顔に満ちた、お父さんやお母さんに見送られて、私と理緒は寒い冬空の下を歩き始めた。