直樹side



「助けてくれてありがとうございました!」



そうにっこりと微笑むと優奈は試合に戻っていった。



もし、優奈が試合に戻るのがもう少し遅かったら、




俺は『好きだ』って一言をいってた。




もう、あんまり自分の感情がコントロール出来ねーんだよな…




さっきだって、クラスメートの男にすっげぇ嫉妬した。



腕つかむとか馴れ馴れしいだろ!…とかな?



遼に



『直樹、何妬いてんの?相手はただのクラスメートじゃん?』



っていわれた。




俺が妬いてたこと、



遼にはバレてたみてぇ。



でもよ、俺は先輩で優奈は後輩。



『先輩』と『後輩』って言うのが俺の中で一番厄介。



あー、俺は何で1年早く生まれてきたんだろーな?



なんで年上なんだ?




「…き…おき…直樹!!」



「うわぁ!…んだよ隼人?びっくりさせんなよ」




「直樹がかってに驚いただけだろ?俺はさっきからずっと読んでるのに、気づかねーし?」





やっべ…





自分の世界に入り込みすぎてた。




「悪い」




「どうせ、優奈っちのことで変な妄想でも膨らましてたんだろ?この変態〜」




嫌な笑みを浮かべてくる隼人。




「変な妄想ってなんだよ!?」




「そんなの、さっき抱き止めたとき言い香りしたな〜。とか」




抱き止めた…って



俺の頭の中にあのときの光景が蘇る。



そういや俺、よく理性たもったよな?



だって普通、好きな女が腕の中にいたら…


なぁ?




「変なこと言うなよな」



俺は隼人にそういった。




「ははっ、可愛いね。直樹は。」



隼人は笑いながらそういった。


可愛いってなんだよ



可愛いって…